謹啓 気候変動のためか、季節が定まらず、皆さま体調にはお変わりありませんか。
当院は蘇陽の地において39年間(父の時代から数えると77年間)皆さまのご支持、ご指導、叱咤激励により一次診療を続けて参りましたが、後継者不在、医師・職員の高齢化、院長の神経難病(パーキンソン病)の進行により、令和7年3月末を以てやむなく閉院することにいたしました。
院長は産婦人科医として、平成15年に分娩取り扱いを止めるまで3897件のお産に立ち合い、その後は婦人科の他、内科系や皮膚科系の患者さんを診察して来ました。小児科専門医の副院長は、開業当初から毎日遅くまで外来診療をした上に、請われれば日曜、祭日も診察し、年間3千人に近い時間外の患者さんを診察した年もありました。しかし現在では町の出生数は当初の5分の1となり、消滅可能性自治体に指定される状況です。
小児科医の長女も立場上後継は困難で、第三者承継も考え、全国に募集をかけましたが、若年層が激減している山都町に移り住んで、当院を引き受けて下さる方が現れるのを期待する方が無理だったようです。
平成17年町村合併前は、阿蘇郡蘇陽町として19年間阿蘇郡医師会に所属していましたので、最後まで上益城郡医師会には異動せず、上益城郡医師会の方や役場関係者にはご迷惑をお掛けした事と思います。
これまでのご指導、ご厚情を感謝し、皆さまのご健勝を祈念して閉院の挨拶とします。
謹白